遺乞いの場

本・映画・展覧会などの感想を書いています。

【本】衣服の歴史図鑑

衣服の歴史図鑑 (「知」のビジュアル百科)

衣服の歴史図鑑 (「知」のビジュアル百科)

本の傾向

西欧の流行を時代を追ってビジュアル資料で紹介している。
各見開きに1テーマで、アイテムの実物の写真が結構な数掲載されており、ページによっては再現衣装を着用した全身写真(正面側からの一枚)も掲載されている。
他の文献等でイメージイラストや当時の絵画からの抜粋しか見たこと無い衣服が多い中、再現とは言え実際に着込んでいる写真を見るとイメージがずっとつかみやすくてよかった。
掲載されてるアイテムは可愛いものが多いので、パラパラとめくってビジュアル的に楽しめる。

得られる情報

扱っているテーマは主に16世紀以降の西欧世界。モードの話なので取り扱われているのは主に中・上流階級の大人の衣服で、一般市民の服装については当時の絵画などと一緒にたまに一文あるくらい。兵士とか僧侶とかもほぼ扱われてない(ヴァイキングだけある)。
全ページフルカラーで前述の通り衣服からファッション小物について実物写真と、それぞれに解説文がついている。写真は基本的に各アイテム1枚。

時代順に順番に進んでくと見せかけて、途中で靴特集や帽子特集ページが入ったりしており、ビジュアル的な楽しさ優先であまり整理整頓された印象の本では無い。(この本はそれでいいと思う)
目次の見出しにもテーマの時代は書かれてない(たとえばルネサンスをテーマにしたページは『豪華、流麗、そしてずしりと重く!』という見出しである)ので、見たいものがあるときはパラパラページめくって探す感じである。ページ数少ないので問題は無いと思う。

各アイテムについては解説文に時代が書かれているが、本書自体に参考文献の記載は無い。索引はある。
教科書的に時代を追って文章で説明している本と合わせて見るといいかなと思った。