遺乞いの場

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【本】ローマの歴史

ローマの歴史 (中公文庫)

ローマの歴史 (中公文庫)

古代ローマの歴史をローマ成立から西ローマ帝国滅亡まで解説している。
著者はイタリアのジャーナリストで、非専門家による「古代ローマを学校で一通り習ったけど正直よく覚えてない一般人」向けの古代ローマ史思い出し本という感じ。
出来事の順番や詳細は全然覚えてないけど人物の名前や一通りどんな出来事があったか知ってるくらいだと読みやすそうだった。(とはいえまったく何も知らなくてもそんなに問題は無い)

伝説、実際にあった(と推測されている)事、著者の推測が入り混じり気味だし年代等の記述もしっかり区切られていないので、資料や教科書的な使い方には向いていないと思う。ただ、政治に深く関わった人物に注目して話が進んでいく本で、巻末に人物索引も付いているので「あの人何した人だっけ…」となったときに調べるにはいいかもしれない。
文章は辛らつな歴史小説的なノリでカラっと読み進められるので、資料でなく読み物と思って向き合うと一通りの古代ローマの歴史の流れと登場人物がわかるのでよいと思う。

途中で古代ローマ人の生活を語るコラム的な章が何度か入る。その時代のローマ人の生活全般を語る章の他、演劇を語る章、詩を語る章など1つのトピックについて語る章もある

初めに単行本版を読んでから数年後に文庫版を読んだ。個人的には文庫本で気楽に読むのが良いと思う。