遺乞いの場

本・映画・展覧会などの感想を書いています。

【本】図説 ロシアの歴史

図説 ロシアの歴史 (ふくろうの本)

図説 ロシアの歴史 (ふくろうの本)

ロシアを舞台にした小説に関する本を読む予定だったので、予習としてロシアの歴史を知るために読んだ。
タイトル通りロシアの歴史を始まりから現代まで解説した本だが、自分はなんだかストレスフルな本だった。解説があまりやさしく無いのに加えてなんか定期的に説教かまされるのだ。

第一章は「ロシアという国」を述べている章で、まずロシアのプロフィールや文化紹介から入るのかな?と思っていたのだが、頭から「日本人的には第二次大戦や冷戦的にロシアをこうこう思ってるかもしれないけど~」といった始まり方で、なんというかセンシティブな攻め方をされる。章にわたって歴史解釈的にはこうみるべきであるとか、思想・政治的な部分でのロシアへアプローチする流れになっていて結構心がくじけそうだった。
しかも歴史解釈論は第一章以外の章にも度々でてきて、大体は「偏った解釈はよくない。良い面と悪い面を両方見るべき」と結論づけられるのだが、毎度同じような結び方するならそんな何度も言わなくてもいいのでは…と疲れてくる。自分はロシアの歴史に触れるのが初めてで従来の解釈争いなどしらないので、余計しらんがな状態だった。

二章以降はロシアの歴史を追っていく。帝政の頃は話もわかりやすめなのだが、ロシア革命(1917年に皇帝を退位させたやつ)の後、臨時政府が成立したあたりからは複雑になっていく政治まわりに対して。特に噛み砕いた説明も無いのでわかりにくかった。団体や出来事についてもすでに概要を把握している事を前程に書かれているように感じる部分もあり、置いてけぼり感があった。

図説シリーズなのでページ内にかならず図があるが、大体その時代を描いた絵画や写真、人物の写真で図が活用されているというほどでもなかった。(皇帝の家系図とか地図はあった)

ロシアの歴史を一通り知りたかっただけなので、難しくてもいいのでもうちょっと説教じみた部分の無いのがよかったなあと思った。