【映画】REC

RECシリーズ4作品を見たので感想を書く。これに限らないけどシリーズ続けてくのって大変なんだなと思う。

RECはスペイン発のめちゃ走るゾンビパニックホラーモキュメンタリー映画、本家版はシリーズが4作出ている。*1

モキュメンタリー(英: mockumentary)は、映画やテレビ番組のジャンルの1つで、架空の人物や団体、虚構の事件や出来事に基づいて作られるドキュメンタリー風表現手法である。

wikipedia

この手法を使った映画はほんの数えるほどしか見たことないのだけど、その中でも「ブレアウィッチプロジェクト」が印象に残っている。
魔女伝説のある森に調査に向かった主人公一向は怪奇現象に巻き込まれて混乱・崩壊していく。一向のメンバー自身がカメラを持っているという設定のおかげで、その過程がより主観的に感じられて身近に潜んでいる不気味さのような作品の雰囲気を強めていたように思う。

REC(無印)

主人公はTVリポーターとカメラマンの二人組で、消防士への密着取材として同行した救急出動先で住人達ともども事件に巻き込まれる。
シリーズの「起」にあたる部分で、日常から怪異の中へ移る過程が結構長い印象がある(この時点でシリーズになる予定だったのかは不明)。何が起きているの?と混乱している間に次々と容赦なく死んでいき、終盤に向けてどんどん致命的な事態に陥っていくのが怖い。

この作品のゾンビは生きている人間が感染により凶暴化している設定のため、見つかると全力で走ってくる(そのくせちょっと撃ったくらいじゃ倒せない)。しかも舞台が質素なアパートでろくに逃げ場もない。出会ったら終わりレベルなのに、感染により狭い建物内にゾンビが増えていく。外部からは意図的に隔離されていて、正規の出口から外に出られる見込みがない。…という感じでじわじわと上がっていく絶望感がすごかった。終盤は本当に怖い。
ゾンビ×モキュメンタリー×閉鎖空間っていう組み合わせがマッチしてて良い作品。

REC2

無印の続編。無印の怖さを増幅させつつも新しい要素を追加したりと、純粋な強化がされておりシリーズの中で一番面白いと感じた。
時系列は無印のラスト直後くらい、今回メインキャラとなるのは感染の専門家を名乗る博士とその護衛の4人の特殊部隊(?)員で、絶賛隔離中のアパートに乗り込んでいく。
無印と比べると良い意味でオカルト味が増しており、ゾンビとのエンカウントが無い場面でも不気味で常に怖い。え、そんなヤバイ話だったのかこれ怖い…ってなる。
引き続きモキュメンタリー作品となっているが、今回は複数のカメラでストーリーが構成されており、かなり手の込んだつくりになっている。特殊部隊員のヘッドカメラを使って別の場所の状況を見せたり、時系列をずらした別のシーンを入れ込んだり、構成は結構複雑なのだけどうまくつくられてて混乱しない。
ストーリーの無慈悲さもパワーアップしており、現場は完全に地獄である。メインキャラ一行の行動も混乱が進むに連れてうわぁ…な状態になっていくが、それがスッと受け入れられるレベルで状況の異常さがすごい。無印が面白かったら是非是非見て欲しい。

REC3

REC界の異端児ジェネシス君である!
前作からは舞台・登場人物が一新され、モキュメンタリーじゃなくなった。舞台は親戚友人一同が集まった結婚式場で主人公は式の新郎と新婦である。
ゾンビパニックが起こるのは無印と同じだが、本作はコメディな雰囲気が入っており、前作のアパートと比べて明るくて彩度の高い画面(色造りに凝ってる感すらある)で不気味さはない。
前作までのゾンビ×モキュメンタリー×閉鎖空間という強みをぶん投げて明日へ向かって走り出してしまっていて一体何が…という気持ちになる。あと音楽の入れ方が安っぽいのがめちゃくちゃ気になった。
一応映画の体裁は保ってると思うので単体でみたらそんな最悪というほどでもないが、無印~2が好きでシリーズを追ってきたファンだったら「は?」となってもしょうがないと思った。ヒロインの女優さんが大変美しいので、美人さんが花嫁衣装でチェーンソー振り回してゾンビ切り倒したりヒールで蹴り飛ばすのをどうしても見たい人はまあ見ても損する事はないかな?と思う。作った側もそのシーンやりたかっただけなのでは感ある。

REC4

無印に出てきたレポーターさんが作品に復帰。2と3の事件が収束した後の話で、舞台は隔離された船の上に移っている。これもモキュメンタリーではない。
3君のことは忘れて無印、2の雰囲気に戻そうとした感はあるが、ホラーというよりパニックアクション物になった印象だった。船内という閉所ではあるのだけど怖く無いです。
残念ながら全体的に荒が目に付くというか、あら捜ししたくなるタイプの一種の退屈さがあって、正当続編な分、番外編と切り捨てられる3君よりも深刻につらかった。特に登場人物に大体好感もてなくてつらかった。2なんてメインメンバー相当酷いことしててもスッと受け入れられたのだけど、これはなんかつらかった。
花嫁チェーンソーみたいなこだわりシーンも特になくて、単純にあんまり出来がよくない気がする作品がシリーズのトリみたいになってしまったのは残念である。

*1:このシリーズは本家スペイン版の他にアメリカ版が2作出ている。私は1のみアメリカ版、2~4は本家版を見ている。「いや1も本家の見ろよ」感があるが、1に限っては本家とアメリカ版はほぼ同じらしいので許して。