遺乞いの場

本・映画・展覧会などの感想を書いています。

【美術展】トルコ・トカットの木版(バスク)展

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www.setagaya-ldc.net
2019年07月20日(土)~2019年09月01日(日)
生活工房ギャラリー(三軒茶屋

トルコの木版プリントで彩られたスカーフの展覧会に行って来た。

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キャロットタワー
生活工房ギャラリーは世田谷三軒茶屋キャロットタワーにある。キャロットタワーは地下鉄田園都市線直結、路面電車世田谷線につながるランドマークだが、ちょっと裏側に行くと静かな住宅街になっており、地元区民の方は気軽に文化にアクセスできるのでないだろうか。(うらやましい)

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会場はガラス張りになっているので外から見える
会場(撮影可)は1フロアで構成されており、入場無料で受付もないので気軽に出入りできる。小ぢんまりとした室内は単にスカーフを展示するだけではなく、トカット地方の歴史、木版プリントの手法、用語集(持ち帰り可)などの説明もあり盛りだくさんだった。特に制作過程を解説した映像作品はわかりやすいので是非オススメしたい。

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郊外にあるアトリエは気持ちがよさそうだった
伝統的な木版ではよく乾燥させた木に線画を彫り、手作業で布にスタンプしていく。化学反応を使って白地に黒、黒字に白と使い分けて線画を描いている。
彩色方法は二通りあり、筆で塗る方法と木版でプリントするものがある。木版を使った手法は現在非常に希少だそうだ。

トルコでは頭にスカーフを巻く女性が多くいるため、古くから個性溢れるスカーフが作られてきた。現在は機械化により衰退傾向にあり、沢山合ったアトリエも郊外に1つ残るのみだとか…。

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スカーフの縁には使用者の手によりオヤと呼ばれる刺繍が付けられる。
オヤは草花をかたどったものが多く見られたが、他にも多くの種類があり、プリントに劣らず美しい。

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お手ごろ価格でかわいいトート
ショップもあり。トートバッグやアクセサリーなど2000円程度の手頃なものからオリジナル手ぬぐい、スカーフ、大物作品まで雑貨類が揃ってます。展覧会の図録はないようでした。